Lotus bird yoga

~ ヨガインストラクター寿香(Hisaka) どこまでも寿ぐ日々へ ~

【 騙されてもいい 】


 
 
 
 
尾山台でのレッスン後、
私の先生が入院されているので、
大井町に降り立ちました。
 
 
大きな歩道橋広場にスタバを見つけ、
そこで腹ごしらえしようと向かいます。
 
 
その広場で、
黒人の方が募金を呼びかけていました。
 
 
お、動物保護の募金かな…と思いつつ、
遠巻きに前をスルー。
 
 
聴こえてきたのは、
『ガーナに学校を作ります』という声。
 
何やら色々と活動を説明しているボードも
たくさん並べてある。
 
 
そのときの、私の内側の反応は。
 
 
『どうせ嘘でしょ、募金詐欺でしょ』が7割、
 
『へぇー、ガーナに学校かぁ。
   寒空の中で募金かぁ…』が3割。
 
 
 
托鉢僧の格好して、何にも唱えず、
ただ小銭を取る詐欺…みたいなイメージが、
私の内側には蘇っており、
彼には目もくれずにスルー。
 
 
スタバでお茶をして、
先生の入院される病院へ行って、
ひとしきり話して、
1時間半後、
またその広場に差し掛かると。
 
 
『ガーナに学校を作るための〜』という、
あの片言の日本語の声が響いていました。
 
 
え、すごく時間経ってるよね。
この寒い中、ずっとずっと大きな声で。
 
 
 
私は、彼から少し離れたところで、
ゴソゴソとお財布から500円玉を取り出し。
 
 
『 うん、騙されてもいい 』
 
 
そう思いました。
 
 
この瞬間、
私の前には、
2つのパラレルワールドが広がっています。
 
 
1つは、
 
『ガーナの学校は真っ赤な嘘で、
とても手の込んだ募金詐欺
騙される、損する、と感じる世界』
 
 
もう1つは、
 
『本当にガーナの学校を建てるために、
寒空の中、懸命に子供たちのために募金活動をしていて、僅かなお金が、遠い子供達の学校に変わる、と感じる世界』
 
 
 
騙されてもいい、損してもいい。
 
たかが500円、
 
もし嘘でも、
この寒空の中、ずっと声を出し続け、
色々ボードを用意したその熱量に捧げよう。
 
 
そして、
 
もしかしたらこの500円が、
遠いガーナの子供達の役にたつかもしれない。
 
 
私は握りしめた500円玉を、
そっと小さな段ボールに入れました。
 
 
中には、
1円玉、100円玉、
1000円札まで入ってる。
 
 
ふふふ、と思いました。
 
 
もしかしたら、
これは彼自身が入れたのかもしれない、
どこまでも嘘かもしれない、と疑う自分と。
 
 
同じように、
騙されてもいい、
もしかしたら学校建設は本当で、
ガーナに学校ができたらいいな、
こんなに頑張ってる彼が報われたらいいな、
と感じた人たちが、
ここにお金を入れたのかと思う自分と。
 
瞬時に巡って、
もしかしたら優しい人たちが
そっと入れたかと思うと、
ふふふ、となりました。
 
 
募金した私に、
彼は言いました。
 
『おねーさん、アリガトゴジャマス、
   オキモチ、うれしいです』
 
 
そして、私にリーフレットを差し出しました。
 
 
もし詐欺なら、
リーフレットまで用意して、
すごい手がこんでるわぁ、ふふふ。
 
 
 
この出来事は、
 
私の内側にある、
 
『損したくない』っていう強烈な感情を
揺さぶって見せてくださる事象でした。
 
 
これが、由緒ある神社に入れるお賽銭と、
何の違いがあるのかしら?
 
ご利益がもらえるから?
 
…… え、それ本当に?
 
 
 
あの黒人さんが、
もし、詐欺でも。
 
 
遠い異国で、
寒空の中、
ずっと声だしてる彼自身を、
 
誰からも、
そこに存在していないように扱われながら、
何かに向かって声を出し続けてる彼を、
 
『ちゃんと見てるよ。存在してるの分かったよ』
 
と、彼自身の魂に向かって、
お金を置いたにすぎないのです。
 
 
私の世界に登場した彼もまた、
私の内側の投影だから。
 
 
きっと検索したら、
2つの世界があるでしょう。
 
あれは詐欺だ、と書いてある世界。
 
より脳がリアリティを感じるほうに、
事象は傾くから。
 
 
そして、学校建設も本当だ、という世界。
 
 
 
どちらも本当。
 
 
 
いま、1つだけ言えることは、
 
私の内側は、モヤモヤしていなくて。
 
 
『面白い体験だな、悪くないんじゃない?』と、
 
ウィンクしてる感じ。
 
 
私の内側が、この瞬間、ウィンクしてる。
 
 
 
 
世界は水鏡のように、
 
信じたいほうに、質量を持つものだから。