【 身体の記憶 】
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戦うのを止め、
体験に「よい」とか「悪い」とか
ラベルを貼りたがる気持ちを手放しなさい。
どんなふうに感じるべきか、
どんなふうに感じたいか、
期待を捨て、感情と一体になりなさい。
「心の治癒力 チベット仏教の叡智」
トゥルク・トンドゥップ著
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身体にあらわれた不調をお伺いするとき、
いつも地図を開いているような気になります。
その症状があらわれる原因はどこか。
その症状があらわれる要因はどこか。
例えば、腰が痛い、というサイン。
腰が痛い、これを解決しようと思うとき、
なぜ「腰が痛くなるのか」を、
身体と対話する必要があります。
感情面で何が起きているのか。
これも、とても大事なポイントです。
その不調があらわれたとき、
何が起きていて、どういう感情だったのか。
本日の生徒さんは、腰が定期的に痛むというお話でした。
四つん這いの猫のポーズで背中を温めているとき、
どうも生徒さんの足のご様子に違和感を覚え。
色々とお話をしていくうちに、
ご自身でも忘れていた身体の記憶を思い出されました。
今、不調としてあらわれているのはサインです。
身体が、自分を支え、なんとか踏ん張ってくれているサイン。
これ以上放っておくと、もっと大変なことになるよ、というサイン。
無意識の中に、
身体の記憶がしまわれています。
昔、大けがをしたと親から聞かされたこととか。
大きな病気をしたんだよ、とか。
自分の記憶になくても、
身体の記憶として、不思議と残っていたりします。
静かに自分の身体に語りかけながらヨガを行うと、
そんな忘れていた身体の記憶が甦ってきます。
自分の身体に耳を澄ます。
左右の差、
わずかな差を感じ取っていく。
その作業はなんだか、
過去の地層から貴重な遺跡の跡や、
希有な動物のかけらを見つけることに似ています。
身体の記憶を通して発掘したものは、
自分本来の、魂のかけらであったりします。